原子力発電 2013 11 16
最近、小泉元首相が「即時の原発ゼロ」を主張したことで、
再び、原子力発電に注目が集まっています。
「即時ゼロは無茶だ」と言う人でも、
2030年ごろには原発ゼロ、
あるいは2050年までには原発ゼロと思っているでしょう。
さて、そういう未来において、
原子力発電はなくなっているか。
答えは、「No」です。
それは、地球が宇宙時代を迎えているからです。
地球付近は、太陽光が強いので、
太陽光発電が有効ですが、
これが、土星軌道や天王星軌道、
あるいは海王星軌道になると、
太陽光は、かなり弱いものとなります。
人間が宇宙で広範囲に活動するようになると、
やはり、原子力発電は必要になってきます。
21世紀初頭は、地球付近で活動しているので、
太陽光が強く、原子力発電の必要性は感じていないかもしれません。
天然の核融合炉である太陽からの光も、
地球から遠ざかれば遠ざかるほど弱くなってきます。
21世紀初頭において、「脱原発」運動をした人たちは、
未来から見れば、ドンキホーテのように見えるでしょう。
もちろん、こうした運動は、ある意味で先駆をなしたとも言えるでしょう。
未来において、あまりにも科学技術が進んだ結果、
やがて、科学技術を否定し、「自然に帰れ」という動きが大きくなるのです。
「脱原発」運動は、こうした動きの先駆をなすものとなるでしょう。
二つの原子炉 2011 6 5
書名 原発安全革命
著者 古川 和男 文春新書
これは、私の思い違いになるかもしれませんが、
私の考えるところを書きます。
トリウム原子炉が、核兵器廃絶の方法となる。
世界には、二つの原子炉があった。
それは、ウランからプルトニウムというサイクルの原子炉と、
トリウムからウランというサイクルの原子炉である。
なぜ、前者は繁栄し、後者は廃れてしまったのか。
前者の方法では、核兵器を作るのは容易であるが、
後者の方法では、核兵器を作るのは非常に困難である。
(冷戦時代、大量の核兵器を作るのは急務だった)。
本書によると、「原発革命」は、次の理由によります。
核燃料は、固体から液体に変える。
ウラン燃料をトリウム燃料に変える。
原発自体を小型化する。
そもそも、原子炉は、「化学プラント」だから、
燃料の形態は、液体であるべきです。
それを固体にすると、リスクが高まる上に、
設備や装置が複雑で巨大なものになります。
その結果、保守・点検が大変なものにもなります。
液体ならば、固体燃料に比べて、設備や装置もシンプルなものになります。
液体燃料は、技術的に可能です。
しかし、なぜ、固体燃料を続けてきたのか。
それは、液体燃料では、原子力産業が「儲からない」からだと推定しています。
固体燃料の方が利益率が高いと思われます。
さて、トリウムのメリットは、他にもあります。
この本では、「トリウムを燃料とすれば、
プルトニウムは、ほとんど生まれない。
それどころか、『トリウム熔融塩炉』でなら、
プルトニウムも炉内で有効に燃やせる」と書いてあります。
次に、資源の問題を書きましょう。
ウランは、特定の国に偏在していますが、
トリウムは、世界中にあると言ってよいでしょう。
もうひとつ、人口爆発の問題を書きましょう。
人口爆発というと、食糧危機を連想しますが、
同時に、エネルギー危機でもあります。
人口爆発によって、食糧が不足しますが、エネルギーも絶対的に不足します。
トリウム熔融塩炉から核兵器を作ることは不可能に近いと思います。
しかも、構造上、テロにも強いのです。
21世紀の原子炉は、
「液体燃料を使う」、「トリウムを燃やす」、
「小型化する」がキーワードになるでしょう。
「万里の長城」のような送電線は、不要となるでしょう。